2013年1月29日火曜日

リプロセル、アルツハイマー薬、開発用神経細胞、iPSから2種生産。


新薬候補探索、効率的に
 バイオベンチャーのリプロセル(横浜市、横山周史社長)はアルツハイマー病の治療薬開発に使う神経細胞のうち、「グルタミン酸」で神経伝達するものをiPS細胞から安定生産する技術を確立した。4月から製薬会社や大学に供給を始める。もう1つのiPS由来神経細胞と合わせると、アルツハイマー病治療薬候補の探索に必要な神経細胞がそろうことになり、新薬開発の効率が高まるという。
 アルツハイマー病の患者は、アセチルコリンという物質の刺激によって神経伝達をする「コリン作動性神経細胞」と、アミノ酸の一種であるグルタミン酸で神経伝達する「グルタミン酸作動性神経細胞」の両方の細胞に異常が見られることが知られている。
 リプロセルは2010年に、iPS細胞から作り出したコリン作動性神経細胞を発売した。今回発売するグルタミン酸作動性神経細胞と同時に使用すれば、より詳細にかつ迅速にアルツハイマー病の治療薬候補が探索できるようになるという。
 両細胞ともに、正常なヒト神経細胞の特徴を持つ通常型と、アルツハイマー病の患者の神経細胞と同じように細胞内に「アミロイドベータ」というたんぱく質が蓄積しやすい特徴を持つ「アルツハイマー病モデル神経細胞」を品ぞろえする。
 グルタミン酸作動性神経細胞は96サンプル分の試験ができる細胞1セットが20~30万円になる予定。年間売上高としては約2000万円を目指す。

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